ピアノの調律・修理にかかる費用の相場と料金が変わるポイント
ピアノを持っている以上、定期的な調律や故障した際の修理はつきものです。調律は引っ越した際にも行わなければならず、特に費用がかかります。そのピアノの修理や調律にかかる相場は2万から4万円ほどです。なぜ値段がはっきりしないのか、値段に差があるのかにはきちんと理由があります。その理由について説明してきます。
ここではピアノ修理の費用が分かれるポイント、ピアノ調律にかかる費用と注意点について、信頼できるピアノ調律・修理業者を見つけるポイントについて説明します。
目次
ピアノを長く使用していることで時には故障してしまうこともあります。以下のような症状が出た場合はピアノが故障しているため、修理が必要になります。
・鍵盤が上がらない
・出ない音がある
・低音が綺麗に鳴らず変な音がする
・ピアノの音に混じって金属が響く音がする
このようにピアノの故障には様々な症状があります。こういった場合に行うピアノの修理ですが、どのようなことを行うのでしょうか。
ここではピアノの修理内容によって変わる費用、オーバーホールについて、グランドピアノの修理費について説明します。
ピアノの修理作業には様々な種類があります。作業の内容や行うタイミングは以下の通りです。
▽ クリーニング
長年使用することでどうしても汚れていってしまった部分を綺麗にする作業です。金属部分のサビや長年のキズ、鍵盤の黄ばみなどを綺麗にすることができます。
クリーニングは長年使用し汚れが気になる場合、内部が錆びたりカビが生えていないか気になったりした時などいつでも行えるものです。汚れが気にならないからといってあまり長期間放っておいてはクリーニングだけでは済まないこともあるため注意しましょう。
▽ ハンマー・ファイリング
長く使用しているとハンマーヘッドに弦の跡がついてしまいます。この弦跡をヤスリで研ぎ、ヘッドの形を戻す作業がハンマー・ファイリングです。ハンマー・ファイリングにかかる費用はやや高めです。
ハンマーヘッドに跡がつきすぎることで音の鳴りが変わったり、雑音が入ったりすることもあります。何か音が気になるという場合にはハンマー・ファイリングすることで解決するかもしれません。
▽ ピアノ整調・ピアノ整音
整調とは、ピアノの弾き心地を決めるものです。ピアノを演奏している中で弾き心地が変わってしまった、気に入らないという場合に直してもらいます。整音とは音色のバランスを考えるものです。
音量や音色、全体の音のバランスを整える作業です。こちらも自分が気になった時などに直してもらいます。音律をきちんと合わせてもらうことで曲の聞こえ方も変わりより綺麗な音を奏でることができます。
オーバーホールとは、ピアノのすべての弦や調律のピン、内部のハンマーやダンパーフェルトなど、ピアノパーツをすべて交換する方法です。古くなった部品が新しくなることで弾き心地が良くなることが期待できます。また、不具合のある部品は一気に交換してもらえるため手間もかかりません。
しかし、オーバーホールにかかる費用はとても高く、その額は新品のピアノが購入できるほどです。そのため修理をするといってオーバーホールを選ぶことはせず、基本的には故障や傷んでいる部分のみの修理をする方が安く済みます。
オーバーホールは、あまりにも古くすべての部品を一つずつ交換するとより高額な費用がかかるという場合に利用するのが良いでしょう。
グランドピアノとアップライトピアノとでは見た目も構造も全く違います。使われる材質なども変わってくるため、どの修理においてもグランドピアノはアップライトピアノよりも高くなることが多いです。
弦の交換や鍵盤の交換における費用は大きく変わりませんが、ハンマー・ファイリングやダンパーフェルトの張りかえなどはグランドピアノとアップライトピアノとで大きく変わります。
ピアノを持っているうえで欠かせないのが調律です。湿度や気温の変化によってピッチが変化してしまうピアノは、季節が変わるごとに調律するのが良いと言われています。しかし年に4回行ってはかなりの費用がかかってしまうため、年に1度調律を行うのが一般的です。
翌年調律を行う場合は初めて調律を行った季節と同じ季節に調律するのが良いです。調律したときと同じ季節、湿度、気温であれば狂っていたピッチがある程度戻ってきます。そのため調律はいつも同じ季節に行うことをおすすめします。
調律は、調律師が自宅へやってきて、ピアノの弦を調整する作業です。音叉を使って正しい音を確認し、それに合わせピッチを調整していきます。
ピアノ調律にかかる費用は、ピアノの種類や調律期間によっても変化します。ここではその費用の変化について説明します。
ピアノにはグランドピアノとアップライトピアノという種類があります。この2つでは形や構造が大きく違ってきます。調律を行う場合、修理と同様グランドピアノのほうが費用は高くなる傾向にあります。その他メーカーの違いによって材質が変わり、費用に差が出ることもあります。
調律は1年に1度行えば良いとされていますが、長期間調律を行った場合ピッチが著しく下がり、その他のリスクが生じる場合があります。このような場合は定期的な調律よりも時間がかかり、調律以外にも調整や修理が必要になる可能性があります。そのため定期的な調律を怠った場合、改めて調律しようとすると費用が余分にかかることがあります。
ピアノを持っている場合、一つの業者に長くお世話になることもあります。調律だけでなく修理でも、いつもお願いしている業者へ任せる方が安心だと思います。また、調律の場合はいつも同じ調律師へお願いすれば、自分の好みの音を把握していてくれるなどのメリットもあります。
長く付き合っていくピアノの業者選びは慎重に行いましょう。ここでは業者選びのポイントについて説明します。
ピアノ調律のための資格としてピアノ調律技能検定というものがあります。こちらは国家資格で、取得している人のことをピアノ調律技能士と言います。
この資格を持っていることで、きちんと調律できると信用してもらうポイントとなります。しかし注意すべき点は、この資格ができたのは2011年であるためそれ以前から調律師として働いている人はこの資格をわざわざ取得していない場合があるという点です。そのため資格を持っていない調律師は信用できないとは一概には言えません。
ピアノの修理業者の中には悪質な業者も存在します。修理の見積りをしてもらっても見積書には詳細を書かず、部品の状態がとても悪いからと高額な料金を請求する場合や、通常だと王額でないクリーニング作業をして何十万も請求するなど様々な場合があります。
電話受付の対応やウェブサイトを閲覧しただけで悪質な業者を完全に見抜くことは難しいですが、このような悪質な業者が存在することを覚えておき、注意して業者を選ぶ必要があります。
ピアノの修理や調律を行ってくれる業者はたくさんあります。修理と言ってもピアノの種類や故障状況など業者によって費用は変わってきます。適切な値段を知るためにも、まずは様々な業者で見積りを取りましょう。あまりにも高い業者はやめておき、適切だと思われる値段を判断しましょう。
初めから1つの業者に絞らず、複数の業者を比べ、自分に合っている業者を見つけましょう。
購入だけでなくメンテナンスにも高い費用がかかるピアノ。長く使用するためにも以下のことに気を付けましょう。
・ピアノの修理費用は故障した場所や作業内容によって変わる
・オーバーホールは高額であるため、部分的な修理とどちらが安いかを比べる
・グランドピアノは調律も修理もアップライトピアノよりも費用がかかる
・調律を長期間行っていないことで余分に費用がかかり、修理費用も必要になる場合がある
・悪質な業者を見抜くためにも、複数の業者で見積もりをとる
ピアノを修理・調律する場合には以上のことをふまえ、よい業者を選ぶようにしましょう。
※手数料がかかる場合がございます
※一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます