ピアノを弾く方にとって気になるのは、ピアノの音のずれだと思います。頻繁に起こらないから大丈夫とつい安心してしまいがちですが、ピアノはとても繊細な楽器であるため、温度や湿度による寒暖差などで音が狂ってしまうこともあるのです。では、なぜ気候とピアノが関係しているのか詳しく見ていきましょう。一般的にピアノには木材や羊毛、クロスなどの天然素材が使用されています。これらの素材は温度や湿度変化にとても敏感でささいなことで故障してしまう恐れがあります。そこで気になるのは最適な環境状況についてです。目安にしていただきたいポイントは、わたしたちが心地よく感じる温度・湿度であるかということです。つまり気温でしたら15度~25度、湿度は50%~70%あたりがベストな環境といわれています。これらの知識を踏まえたうえで、住んでいる環境の気候も含めて日々のお手入れをすることをおすすめします。鹿児島県は南国のイメージが強く、冬の厳しい寒さの印象はあまりありません。気象統計によると2013年の鹿児島県の日最高気温は34.7度、日最低気温は3.9度と報告されています。これらのデータは年間の寒暖差が30.8度あることを示しています。数字だけでみると全国45位となっていますが、鹿児島県は湿度が高い地域なので調律や修理のメンテナンスを欠かすことはできません。平均湿度は70%であることから、かなりの高温多湿な環境状況です。ピアノにとって湿度は致命的な問題です。それは響板の膨張と収縮が関係しており、弦の張力に大きなダメージを与えてしまうのです。全体的にピッチが高くなっているので調律が狂いやすいだけではなく、長い目でみると本体を傷めてしまうこともあります。積み重なった問題を放置しておくと修理代も負担になります。そのため、異変に気づいたらこまめに修理を依頼するのもいいですが、やはり定期的に調律を行う方法がピアノを長持ちさせる一番のおすすめとなっています。
※修理のお問合わせの場合、5年以上使用している電子ピアノは対応不可。