ピアノは数百個にも及ぶ緻密な木工部品や天然の羊毛などでできた繊細な楽器です。220本にも及ぶ弦は、温度によって伸び縮みするため、ピアノの調律・修理の技術を有した調律師による定期的なメンテナンスが必要になります。岩手県の寒暖差及び湿度についてですが、岩手県エリアの2013年の記録を見てみると、最高気温は29.4℃、最低気温は-7.1℃、寒暖差は36.5℃と非常に高くなっています。これは全国第2位の数値であり、さらに平均相対湿度は77%と、非常に高い数値となっています。温度の変化や多湿による結露が大敵なピアノにとって、岩手県の環境はいかに過酷であるかが分かります。そして、ピアノは一般的に1年に1回の調律が必要とされています。しかし、新しいピアノは弦を引っ張る力が強いため、最初の3年は半年に1回行う必要があります。また、環境によってはやはり半年に1回程度のメンテナンスが必要な場合があります。もし仮に適正な調律がなされない場合は、早ければ半年で半音ほど音階が下がる以外にも、押した鍵盤が下がったまま戻らなくなったり、連打がしにくくなったりといった現象が起きます。そのような状態で練習をした場合は上達が遅くなることがあります。しかし、お子様がピアノ教室に通わなくなってからは調律をしなくなったという話を耳にする機会は、残念ながら少なくありません。数年もしくは数十年メンテナンスをされていない場合は、木工部品にひび割れが起きていたり、ピンが錆びついていて、修理が必要となる場合があります。部品交換や弦の張替えなどによって、元の音色を取り戻すこともできるので、お困りのことがあれば、一度ご相談ください。しかし、やはりおすすめしたいのは、修理が必要になる前に、定期的なメンテナンスをされておくことです。ピアノの高い価値を維持するためにも、かかりつけ医のように何でも相談できる、かかりつけの調律師を見つけておかれることをおすすめいたします。
※修理のお問合わせの場合、5年以上使用している電子ピアノは対応不可。