ピアノの調律は、一般的に1年に1回は必要といわれております。しかし、製造年数や住んでいる地域の環境や部屋の状況などによってもその必要頻度は変化します。場合によっては半年に1回が望ましい場合もあります。岐阜県の寒暖差や湿度についてですが、2013年の記録を見てみると、岐阜県エリアの最高気温は34.6℃、最低気温は-0.3℃であり、実にその寒暖差は34.9℃と高く、全国的にも見ても第8位と上位になっております。また、平均相対湿度は64%と非常に高く、岐阜県はピアノにとっては過酷な環境にあると考えられます。ピアノの調律には費用が掛かるし、音が出ていれば頻繁にしてもらわなくても良いと考える方もおられるでしょう。しかし、早ければ半年程で音は半音近く下がるので、そのままいくら練習を重ねても上達しにくいといった現状もあります。しかも、これほど多湿の中で適切な調湿がなされなかったとすれば、ピアノの中に結露が生じることもあります。そうなれば、カビが発生したり、場合によっては修理が必要になることもあります。また、お子様がピアノ教室に通われなくなってからは、調律をしなくなったという話を残念ながらよく耳にします。しかしピアノには、何百個にも及ぶ緻密な木工部品や天然の羊毛などが使われているため、長期間メンテナンスをされていないピアノの場合、一度の調律で完全に元の音を取り戻すことが難しいケースがあります。状況によっては部品の取り換えや弦の張替えなどが必要になりますが、修理によって元の音を取り戻すことも可能ですので、お困りのことがあれば、ご相談いただければと思います。しかし、やはりおすすめなのは、修理が必要な状況まで放置せず、定期的なメンテナンスを行うことです。何十万円もかけて購入した製品ですから、いつまでも価値あるものにしておくためにも、かかりつけ医のように、かかりつけの調律師を見つけておかれることをおすすめいたします。
※修理のお問合わせの場合、5年以上使用している電子ピアノは対応不可。