いつもピアノの音を美しく保ちたいという希望を叶えるのに必要なのが調律です。調律の頻度は気温・湿度・環境などにより様々となります。2013年のデータでは、愛媛県の年間の寒暖差は32.6℃となっていますが、これは全国で30位です。日本は季節毎に気温が変化するため、一年中一定の温度を保つことは難しいですが「急激な温度変化を避ける」ということが大事です。家の内壁側は外気温の影響を受けやすく、キッチンの近くは湯気の影響を受けやすいです。またエアコンの冷気や暖気がピアノに直接当たらないようにすることも大切です。湿度については、愛媛県は年間平均67%となっています。ピアノを管理する上で適切とされている湿度は50%前後なので、愛媛県は少し高めだということを意識していると良いと思います。特に春先から夏の終わりにかけてが、最も高いとされているので、この期間は対策が必要となります。ピアノの中で結露が起こると連打ができなくなったり、鍵盤が上がってこなくなったりします。このような多湿対策には乾燥剤や除湿機が良いとされています。また、逆に乾燥するのも良くありません。湿度が30%以下のときは要注意です。ネジの緩みや接着の剥がれなどを起こしてしまうからです。このような場合は加湿器を使うことで改善できます。このように日頃から管理に気を付けることで何度も修理に出さなければならないということはなくなると思います。しかし、修理には出さずに済んでも調律を怠るわけにはいきません。前述したとおり、気温・湿度によりピアノの状態は日々変化してしまいます。平均的に半年~1年は少々音が狂っても許容範囲です。ピアノはアコースティック(生)楽器であるため、とてもシビアなものです。極端な話をすると、調律直後には少しずつ狂い始めていますので、修理とは違い、調律は必ず行う必要があります。ピアノを長く良い状態で使うためにはしっかりと適切な管理をすることが大切です。
※修理のお問合わせの場合、5年以上使用している電子ピアノは対応不可。