コラム
ピアノを弾いていて、突然黒鍵が折れてしまったり、黒い色がはがれてきたりしたら、なかなか自分では対処できないですよね。そんなときにはプロに修理を依頼しましょう。
ピアノの黒鍵を修理するなら、黒鍵が痛んだ原因と改善策を知っておく必要があります。たとえば塗装が原因で色がはがれている場合、再発を回避するために別の素材に交換するという方法もあるのです。
このコラムでは、黒鍵の修理方法や費用相場、業者選びのポイントなどをご紹介します。日ごろの掃除方法についても解説するので、参考にしてピアノの劣化を防ぎましょう。
黒鍵の修理・交換をする場合、原因別にさまざまな方法があります。
ピアノは高価なものなので、大事に長く使用したいですよね。黒鍵が折れたり音が鳴らなかったりといったトラブルが発生したら、プロの技術にまかせて修理交換をおこなうことで、ピアノをきれいに再生することができるのです。
黒鍵のトラブルで多いのが、塗装された色がはがれることや白鍵に色うつりすることです。再度黒鍵を塗装したり、黒鍵の素材を変えたりする修理方法があります。
しかし、塗装すればまた色がはがれてしまうことも考えられるため、再発防止するなら黒鍵を樹脂製のものに交換してしまうのがおすすめです。
黒鍵の素材を交換するか検討されている方は、このあとにご紹介する鍵盤の材質とグレードを参考にしてみてください。
ピアノの鍵盤の素材は、いくつかの種類があります。
・黒檀(こくたん)
もともと黒色をした木材で、黒鍵に使用されるものです。材質はとても硬く、バイオリンや高品質の家具などにも使用されています。
・象牙調
もっともグレードが高い象牙の鍵盤に似せたもので、白鍵に用いられることが多い素材です。指が滑りにくく、演奏中のミスが起こりにくいという特徴があります。象牙は高価なピアノに使用されていますが、ワシントン条約によって取引が禁止されているため、象牙調の素材が普及しているようです。
・樹脂製
高価な素材と比べて、汗で指が滑るなどのデメリットはありますが、素材のグレードは低いものの、色落ちの心配がありません。白鍵に用いられることが多い素材です。
・ベークライト
黒鍵に用いられることが多い素材です。フェノール樹脂ともよばれ、耐熱性に優れたプラスチックで、黒鍵の素材として一般的なものです。
それぞれのメリットを考慮して、自分の希望に合った素材を選ぶとよいでしょう。どの素材を選んだらよいかわからないときには、プロに相談してみることをおすすめします。
黒鍵の修理を依頼した場合、費用はどのようにして決まるのでしょうか。必要な材料以外にも、依頼先によって費用は大きく変わってきます。ここからは、鍵盤修理の費用相場や業者の選び方についてご紹介していきます。
鍵盤修理にかかる費用相場を原因別にご紹介します。以下の相場は1か所あたりの金額です。
ピアノの鍵盤を修理に出すときにかかる費用の内訳は、【材料費+工賃】です。選ぶ材質や修理方法によって費用が異なります。また、修理にかかる時間は修理箇所の個数によっても変わってきます。現地での修理が不可能な場合、3日から1週間ほどかかることもあるのです。正確な費用や時間は業者で見積りをとって確認するとよいでしょう。
いざピアノを修理に出そうと思ったとき、複数の業者のなかから依頼先を探すのは大変ですよね。業者を探す際のポイントとして、スタッフの技術を知ることは重要です。インターネットの口コミサイトで評判を確認したり、業者のホームページに載っている実績紹介をのぞいてみたりすると、業者選びの参考になるでしょう。
また、問い合わせた際に気になることを質問して丁寧に受け答えしてくれる業者なら、安心できるでしょう。ほかにも、問い合わせた段階である程度料金について明確に教えてくれるかどうかも大事です。鍵盤の状態を見てもらうまえに、おおよその費用がわかれば安心ですよね。
正確な費用については見積りをとって確認することをおすすめします。複数の業者で見積りをとって比較する相見積りをおこなえば、サービスに対する適正な費用を知ることができるでしょう。見積りを無料でおこなう業者もあるので、検討してみてはいかがでしょうか。
ピアノも年月がたてば劣化していくものです。日ごろからお手入れして汚れなどを掃除しておく必要があります。大切なピアノをこれからも美しく、きれいな音色のまま保つために必要なお手入れのポイントをご紹介します。
ピアノのお手入れに便利なグッズはいくつかあり、鍵盤の拭き掃除には専用のクロス、鍵盤を磨くなら、専用のクリーナーも販売されているのです。鍵盤のすき間のホコリをとるためのハタキなど、種類はさまざまあるので、必要なアイテムでお掃除をしましょう。
鍵盤には指の皮脂などがついてしまうため、汚れやすいものです。汚れを落とすにはやわらかい布などに水を含ませてよくしぼり、拭き掃除をしましょう。その後の乾拭きも忘れずにおこなってください。
上記でご紹介した鍵盤専用のクリーナーとあわせて使用すれば、つやがでて美しい鍵盤が蘇ります。
ピアノはホコリをかぶりやすいです。とくに、黒い色のピアノはホコリや指紋がつくと目立ってしまうため、本体についたほこりや汚れは専用のハタキで取り除きましょう。
ハタキでホコリを落としたら、専用のクロスで拭き掃除をします。クロスではなかなか落ちないような汚れは、やわらかい布を濡らしてよくしぼり、水拭きします。その後の乾拭きも忘れずにおこないましょう。
ピアノ内部の弦や木材は湿度に影響されやすいため、音質を保つためには室内の風通しをよくして湿度調節もおこないましょう。一般的に、湿度50%ほどに保つとよいとされています。また、ピアノをしばらくの間使用しなくても、たまには鍵盤を押して音を出してみるとよいでしょう。
ピアノにはたくさんの鍵盤がついている分、内部の構造は複雑です。ピアノの内部に張られている弦など、わずかなゆるみが音質に影響することもあるのです。業者に依頼して、たまに調律してもらうことでもメンテナンスをおこなうという手段もあります。
ピアノの黒鍵の修理が必要なときは、業者に依頼しましょう。修理方法や箇所によってかかる費用や時間は異なります。依頼するときには、修理についての詳しい内容を確認することをおすすめします。
大切なピアノを預けるなら、業者選びも重要です。技術やサービス内容を十分考慮して、信頼できる業者を探してください。また、日ごろのメンテナンスもピアノの音色を保つために大切なことです。ときには業者に調律を依頼してみてはいかがでしょうか。