コラム
お子さんの習いごととして人気のピアノ。でも、「ピアノを子供に習わせたいけれど、何歳から始めるべき?」「早ければ早いほどよい?」「早すぎてもだめ?」とお悩みのお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お子さんがピアノを習うのに適切なタイミングについてご紹介します。そのほかにも、ピアノを習うことで得られるメリットや、実際に習い始めたらかかるお金のことなどについても詳しく紹介していきます。お子さんの習いごとにピアノを、と考えていらっしゃる親御さんはぜひ読んでみてください。
目次
早速ですが、ピアノは何歳くらいから習うのがよいのでしょうか。「ピアノは3歳から」という話を耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。確かに、ひとりで歩けないような赤ちゃんに習わせるのは無理そうですが、できるだけ早くから習ったほうがよさそうなイメージがありますよね。
ピアノは3歳からというウワサもありますが、世間の多くの方は5歳前後、就学前に習い始めたほうがよさそうというイメージがあるようです。4歳から7歳ごろから始めることをすすめている方もいらっしゃいます。やはり、ピアノはできるだけ早いタイミングで始めるのが理想的なのでしょうか。
ウワサや世間の認識では就学前に習い始めるべきというピアノですが、必ずしもその時期に始める必要はありません。むしろ子供の成長スピードは個人差が大きく、何歳から習うのがよいと断言することは難しいのです。
目安として就学前くらいと考えておくのはよいでしょうが、お子さんの成長に合わせて適切なタイミングを見計らう必要もあります。「この年齢だから始めるべき」「早ければ早いほどよい」というわけではないのです。
言葉で言うのは簡単ですが、ピアノを習うのにちょうどよい時期を見極めるというのは実際のところなかなか難しいのではないでしょうか。そこで、ここからはお子さんがピアノを始めるのに適したタイミングかどうか判断する際のポイントをご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。
当然ですが、鍵盤を押す力がなければピアノを弾くことはできません。指の力が頼りない状態でピアノを演奏することは難しいでしょう。
1歳や2歳の子供でもピアノを習うことはできます。しかし、鍵盤を押すのに苦労してその練習ばかりしていると、飽きてしまうかもしれません。そこでまずは、お子さんがしっかり鍵盤を押すことができるかどうかを判断の基準にしてみましょう。
ピアノで曲を演奏するためには、ピアノの前に座って集中して練習に取り組む必要があります。そのため、お子さんの集中力の有無も大切なポイントです。
せっかくお金を払って習っているのに、レッスン時間にピアノの前に座っていられない、集中して練習できないためいつまでたっても上達しないといった状態ですと、わざわざレッスンに通う意味はあまりありませんよね。
やはり何より大切なのは、本人がピアノに興味があるか、やる気があるかということでしょう。興味のないことを無理やりしていても、苦痛でストレスがたまるばかりです。お子さんの気持ちを尊重し、本人がやりたいと言った時期が一番の始めどきなのかもしれません。
ピアノを習い始めるタイミングについてわかったところで、次はピアノを習うことで期待できるメリットについてもお話しします。せっかくピアノを習うなら、お子さんによい効果をもたらしてくれたらうれしいですよね。そこで、ピアノを習うことで期待できる効果について簡単にまとめてみました。
ピアノを習い始めると、楽譜が読めるようになるでしょう。音感やリズム感も豊かになり、ピアノの演奏だけでなく、そのほかの楽器の演奏や、歌、ダンスなどの上達にも期待ができます。
また、小さいころから音楽にふれていると、「絶対音感」という音を聞いただけで何の音かわかる能力が身につくこともあります。絶対音感があると、音を聞いただけで和音の構成がわかったり、耳で聞いた曲を楽譜なしで演奏できるようになったりします。
このように、ピアノを習うことで音楽全般に関する知識やスキル、感覚をのばしていくことができるでしょう。
一言で「ピアノを弾く」と言っても、実際は「楽譜を理解する」「目で楽譜を見る」「指で鍵盤を押す」「足でペダルを踏む」「からだ全体を使って弾く」「音を耳で聞く」「音を心で感じる」など、さまざまなことを同時進行で処理する大変な作業です。
ピアノを上手に演奏するためには、頭、からだ、心といったさまざまな部分を同時に働かせることが求められます。そのため、音楽的な知識以外にも、記憶力、読解力、集中力など、幅広い知的な発育にも期待ができるでしょう。
ピアノを習うことでさまざまなよい効果が期待できるのはうれしいところですが、やはり費用のことは気になってしまいますよね。ここからはピアノを習うのに必要な費用についてお話ししていきます。
ピアノスクールなどに通うとレッスン代が発生します。グループレッスンか個人レッスンかといったレッスンの形態、1回のレッスン時間やお子さんの年齢などによって料金はさまざまですが、月々5,000円から1万円におさまるくらいが相場のようです。
そのほかピアノスクールによっては月々のレッスン代のほかにも入会金・年会費などがかかる場合もあります。別途教本代・楽譜代がかかることもあります。予想外の出費にあわてることのないよう、しっかり確認しておくとよいでしょう。
自宅でもピアノを練習するためには、ピアノの購入費用もかかります。キーボードなどでも練習は可能ですが、やはりピアノとは弾いたときの感触や音色などに違いを感じることも多いものです。できるだけ、自宅でもピアノを使って練習させてあげたいですよね。
ピアノを買ったほうがいいとは思っていても、ピアノは高額なイメージがある方がほとんどでしょう。ピアノの購入費用はどのくらいかかるのでしょうか。ここでは、よく目にする「グランドピアノ」「アップライトピアノ」「電子ピアノ」の値段とそれぞれの特徴についてご紹介します。
◆グランドピアノ
ピアノと聞いて多くの方が想像するのはグランドピアノでしょう。コンサートホールや学校の音楽室、ピアノの生演奏がおこなわれるレストランなどで見かけることの多い、大きなピアノです。
値段の相場は100万円から300万円と、簡単に購入できるような金額ではありません。ですがプロを目指したい、本格的な練習をしたいとお考えの方は購入を検討してみるのもよいでしょう。
◆アップライトピアノ
グランドピアノよりもコンパクトで、限られたスペースでも設置できるようなピアノです。趣味用、練習用として普及してきましたが、最近は音色や弾いたときの感触がグランドピアノにかなり近いものも登場しています。
値段の相場は50万円から120万円くらいで、グランドピアノよりも手が届きやすい価格帯です。
◆電子ピアノ
電子ピアノは、名前の通りピアノの音を電子データ化された音で再現するものです。音色や音量をスイッチなどで簡単に調節することができます。時間を選ばず練習できる、調律の必要がないといったメリットがあります。
価格的にも10万円前後から購入が可能でうれしいところです。ただ、タッチの仕方で音に強弱をつけたり音色を調節したりという練習が難しいというデメリットもあります。
レッスン代やピアノの購入費用以外にも、グランドピアノやアップライトピアノは定期的なメンテナンスが必要です。調律といって音程を整える作業をおこなう必要があり、1万円から2万円におさまるくらいが相場です。
ピアノを始める時期についていろいろとご説明しましたが、ピアノを楽しむのに年齢は関係ありません。ある程度はピアノを練習し始めるのに適したタイミングはあっても、ピアノを始めるのが「早すぎる」「遅すぎる」ということはないのです。
先ほどはピアノを始めるタイミングの目安として、子供の指が鍵盤を押せるくらいしっかりしているかどうかをひとつのポイントとしてあげました。ピアノで上手に曲を演奏するためには指の力が必要ですが、鍵盤をうまく押すことができなくてもお子さんが楽しそうにピアノにさわっているなら、それはそれでよいかもしれません。
ピアノを楽しみたいという目的であれば、弾きたいと思ったときが始めどきでしょう。もし、お子さんがピアノを習い始めたことをきっかけにご両親もピアノに興味をもったら、一緒に練習してみてはいかがでしょうか。
お子さんにピアノを習わせたいと思っているご両親に向けて、始めるタイミングの見極め方を中心に、ピアノを習うことで期待できるメリットやピアノを習うためにかかる費用についてもご紹介しました。
ピアノを習い始めるタイミングは、お子さんの気持ちを尊重しながら、ピアノの鍵盤を押す指の力があるか、練習に集中できるかどうかといったポイントにも気をつけて判断するとよいでしょう。
また、ピアノを習うために必要な費用は、レッスン代やピアノの購入費用などのほか、ピアノのメンテナンス費用もかかります。ピアノの購入を検討している方は、大切なピアノの調律を安心して任せることのできる調律師探しも同時に進めておくとよいかもしれません。
ピアノは何歳から始めても楽しむことができますし、さまざまな能力の発達が期待できます。お子さんはもちろん、せっかくならご両親も一緒にピアノを楽しむことができたら素敵ですね。