コラム
ピアノの鍵盤を押した時、力をある程度加えないと鍵盤が下がらない事は多くの方が知っていると思います。 これをピアノのタッチが軽い、重いという表現をしますが、ピアノのタッチは、演奏を行う上で非常に重要な要素です。というのも、ピアノは鍵盤の押し方1つで大きく音が変わるからです。 弱く、繊細に鍵盤を押せば、小さな、細い音が。強く、激しく鍵盤を叩きつけるように押せば大きく響き渡るような音が出ます。 この調整を行うことで、ピアノは一台でオーケストラに匹敵する豊かな表現を行うことができるのですが、ピアノのタッチは年数を経て徐々に変化していくものです。 最初は、ピアノの各部は新品ですから部品同士がまだ遊びが無く、きっちり咬み合っています。このため、ピアノのタッチは少し重めです。徐々に使い込んでいくと、よく擦れる場所は部品が削れて行くので徐々にタッチは軽くなっていきます。 しかし、ただ単に軽くなっていくだけではありません。 湿気を吸うとピアノの部品が膨張して、またタッチは重くなります。季節によって周囲の湿度が変化すると、こういった問題が発生するのです。 逆に軽くなりすぎることもあります。 長年使い込んでいくと、すり減りすぎた部品同士に遊びが出来てしまって、鍵盤を押した気がしない、頼りないタッチになってしまいます。 ピアノのタッチは演奏をするにあたって重要な要素ですので、これらが気になった時には、ピアノの調律のご依頼をお勧めいたします。