コラム

湿度の調整だけでもだいぶ変わります

ピアノの音が徐々にずれていくのは、強い力を掛けて張られた弦が、徐々に元の長さに戻ろうとすることによるものと、ピアノの本体が水分を吸ったり、あるいは放出したりすること、それに気温の変化によるものが原因となっています。 この中でも、特に大きな影響を与えるのが湿度の影響です。 ピアノを形作る木は、表面に小さな穴が無数に開いています。これらの穴は、周囲の湿度が高ければ水分を吸収し、逆に乾燥していると、内部の水分を放出する働きがあります。 ピアノの本体、特に響板という部品が水分を吸ったり、出したりするとピアノの音を大きく左右します。 というのも、響板にはピアノの音を増幅する効果があります。良質な木材が使われていると、より綺麗な音になると言われています。 ピアノが製造された時、音をあわせる場合は一番良い状態の響板で行われていますから、ご自宅などで使用されている時、響板が過度に湿気を吸ったり、過度に乾燥したりすると、音が正常なものではなくなってしまうのです。 当然、そんな状態のピアノで調律を行ったとしても、正しい音には合わせられません。 では、少しでもピアノの音を安定させるにはどうしたら良いのでしょうか? 実は、加湿器や除湿器を使うと、ピアノのコンディションを良い状態で保つことが可能です。 大体気温20℃の時に湿度50%くらいに調整をしておくと良いそうです。 もちろん、それ以外にも定期的な整備・調律は必要不可欠。年に1度はピアノ調律をご依頼下さい。

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