コラム
「ピアノの調律は、いつ行うのが一番良いの?」という方がいらっしゃいます。 ピアノはテンションを掛けた弦を張って、その弦を叩くことで音を出す楽器ですが、この弦の周りの木材の部分が湿気を吸って膨張したり、逆に乾燥して収縮したりすると音が大きく変わってきます。 夏場は湿気を吸って膨張してしまうので、本来の弦のテンションより高くなりますから、ピッチは上がります。 逆に、冬場は乾燥してしまって縮みますから、弦が緩んでピッチが下がります。 1年の中で大きくピッチが変わってしまうことは、ピアノを演奏する方にとっては不快ですし、演奏技術の上達も妨げられてしまいます。 さて、そこで冒頭のピアノ調律の時期についてですが、結論から言えば、いつ行うのも同じです。 何故かと言うと、一般的な住宅では、ピアノに理想的な環境を整える事が難しい(温度20℃湿度50%)ので、常にピアノの状態が変わり続けています。しばらくすると、結局ピアノの調律が必要になるので、いつ行っても同じという訳です。 つまり、演奏会を控えているとか、ピアノを沢山弾ける時間が出来たなど、自分の技量を高めたり、ピアノに多く触れる時にピアノ調律をしておくのが、上達のためにも、また楽しく演奏するためにも最適です。