コラム
ピアノを演奏する上で欠かせないのが、調律です。ピアノの調律はきれいな音色を保つという意味合いもありますが、演奏者の望む音を作るという意味もあるのです。ピアノは数多くある楽器の中でも、唯一演奏者と調律を行う人間が別々に存在する楽器です。その他の楽器は、演奏者自身が調律を行うものや、そもそも調律の必要がない楽器もあるのです。そう考えると、ピアノのきれいな音色は調律師と演奏者の二人で作り上げているといえるでしょう。それほどピアノの演奏者にとって調律師の存在は大きいのです。また、音楽会でもピアノの調律師は重宝されており、大型の音楽ホールなどでは専属のピアノ調律師がいるほどです。ピアノの調律は基本的には定期的なメンテナンスとして行うものですが、演奏者の中には音にこだわる方もいるようで、自分に合わせた調律でないとうまく弾けないなんて方もいらっしゃいます。ピアノ調律師はそういった演奏者の要望に応えるために、その腕を振るうのです。そして、ピアノ調律師にも同じように自分の満足がいくまで調律を続けるという方がいるようです。そのため、1時間で終わる調律もあれば、朝から夕方まで1日掛ける調律もあるのです。そういった調律師と演奏者のこだわりで、ピアノのきれいな音色が作り上げられるのです。ピアノの調律は、ピアノを長持ちさせるためだけではなく、調律師と演奏者のこだわりの仕事なのです。