コラム
最近では小説の題材にされるなど、にわかに脚光を浴びているピアノ調律師。ピアノ調律師とは、ピアノの調律はもちろんその保守や管理も行っている技術者の事を言います。日本でピアノ調律師を目指す場合、多くの場合養成機関や専門学校に入学して知識と技術を身につけ、その後楽器店などで経験を積んでいく事になります。国家資格として「ピアノ調律技能士」という資格がありますが、この資格を保有していなくてもピアノ調律の仕事を行う事は可能です。ただし、資格を保有せずに「ピアノ調律技能士」と名乗ることは法律によって禁じられています。
資格はピアノ調律師を選ぶ際の一つの目安となりますが、必ずしも有資格者が高い技術を持っているとも限りません。また、高い技術を持っていたとしても、依頼主の希望通りにピアノ調律を行ってくれるとは限らないのが調律の難しいところです。というのも、ピアノ調律は技術だけでなく、感性にも左右される作業だからです。そのため、ピアノを弾く人とピアノ調律師との感性がズレていれば、最高の技術を持っていても思い通りの結果にならないでしょう。
技術力、接客力、料金……ピアノ調律師を選ぶ基準はいくつかあります。しかし感性については、実際に依頼してみるまではわかりません。まずはその調律師とコミュニケーションを取り、近い感性か探ってみると良いでしょう。その結果上手くいかなかった場合は、新たな調律師を探してみてください。それを繰り返す事で、パートナーとも呼べる調律師と出会える事でしょう。