コラム
ピアノの調律とは、簡単に言えばピアノの「音合わせ」のことを指します。この調律を行わなければ、ピアノの弦が次第に伸びていってしまい、音が低く狂ってしまうのです。それを直すために調律が必要なのですが、ピアノ調律師が行うのはそれだけではありません。ピアノの状態、また演奏者の要望に合わせて、さらに細かい作業を行います。
・整音
整音とは、ピアノの音色や音質を調整する作業です。ピアノはハンマーヘッドが弦を叩くのですが、それが繰り返されると弦の形に溝ができてしまいます。そのため音に変化が生じてしまうのですが、それを直すためにフェルトを削ったり針を刺したりします。非常に繊細な作業で、ピアノ調律師の腕が問われます。
・整調
整調とは、ピアノの弾き心地を調整する作業です。ピアノの一連の動作である「アクション」を調整することで、演奏者がより気持ちよくピアノを弾けるようにします。もしも整調を疎かにしていますと、ピアノの連打ができなくなったり、鍵盤が下がったまま上がってこなくなったりします。
・修理
明らかにピアノの機能を損なっている場合には、ピアノの修理を行います。その場で修理できることもありますが、大掛かりな作業が必要になりますと工場や工房に運んで修理することになります。
ピアノ調律師は、主にこのようなお仕事を行います。まさに、ピアノ専門の医者と言えるかもしれません。
人間も定期診断が必要になるように、ピアノも定期的な調律が欠かせません。何年も調律を行っていないピアノがありましたら、一度調律をご依頼されてはいかがでしょうか。