コラム
木製楽器は総じてデリケートなものですが、ピアノはその管理の点ではちょっと大変な楽器と言えるでしょう。楽器自体がとても大きくて重いですし、その中に木製部品、金属部品が複雑に組み合わされているからです。ヴァイオリンなどのように簡単に持ち運びができないピアノは、部屋自体が楽器を収納するケースだとも言えます。日本は四季がありますし、地域によって気候も違います。普段から、ピアノに適した湿度や温度に管理することが大切になってきます。冬場、窓に結露が起こっている部屋にピアノを置いている場合は要注意です。ピアノの内部にも結露が起こっている可能性が高く、鍵盤が上がらないなどの故障が起こりますし、ピアノの弦に錆が起きてしまう事もあります。乾燥材、除湿器による湿度対策が必要です。また、ピアノは多くの部分が木製ですので当然乾燥のし過ぎも悪影響を及ぼします。木製部分やフエルトが乾燥により収縮してしまうのです。ご自分でこういった事に対処していても、ピアノの音は微妙に変化します。年に一度はピアノの調律が必要だとされていますが、弾いていて鍵盤のタッチが変わったなど気になる場合は、早目にピアノ調律を依頼されたほうがいいでしょう。ピアノ内部の小さな変化も、早目に修理することで安定した音色で音楽を奏でることができます。